ドライアイは、涙の量や質のバランスが崩れることで、目の表面が乾きやすくなる状態です。
涙は「水分」だけでなく、「油分」と「粘液」の層で構成されており、このバランスが保たれることで目の表面は安定しています。
まぶたの縁にあるマイボーム腺は、このうちの「油分」を分泌する役割を担っています。この油分がうまく分泌されなくなると涙が蒸発しやすくなり、ドライアイの原因となります。
そのため近年では、ドライアイの背景にマイボーム腺機能不全が関与しているケースが多いと考えられています。
ドライアイの原因と分類
ドライアイは大きく分けて、「涙の量が不足するタイプ」と「涙が蒸発しやすいタイプ」に分類されます。それぞれ原因や治療方法が異なるため、状態を見極めることが重要です。
涙液減少型ドライアイ
涙の分泌量そのものが少なくなるタイプです。
加齢や体質、全身疾患、薬の影響などにより涙の分泌が低下し、目の表面が乾燥しやすくなります。
蒸発亢進型ドライアイ
涙の量はある程度保たれていても、涙が蒸発しやすくなることで起こるタイプです。
その主な原因のひとつがマイボーム腺機能不全です。
油分が不足することで涙が蒸発しやすくなり、ドライアイの症状が現れます。
現代ではこのタイプが増えているとされています。
複合型ドライアイ
涙の量の低下と蒸発の両方が関係しているケースも多く、複数の要因が重なって症状が現れることがあります。
ドライアイは、以下のようなさまざまな要因が関係して起こります。
- 加齢による涙の分泌低下
- 長時間のスマートフォンやパソコン使用
- コンタクトレンズの装用
- アレルギーや炎症
- まばたきの減少
特に近年は、デジタル機器の使用時間の増加により、まばたきの回数が減ることで症状が悪化するケースも多くみられます。
マイボーム腺機能不全とは
マイボーム腺機能不全は、まぶたにある油の分泌腺が詰まったり、機能が低下することで、涙の質が悪くなる状態です。
目の表面の油分がうまく分泌されないと涙がすぐに蒸発し、次のような症状が起きてきます。
- 目の乾き
- ゴロゴロした違和感
- 疲れやすさ
車でいうと、目がフロントガラス、涙が水、マイボーム腺の油がワイパーの潤滑油のような役割をしています。このバランスが崩れることで、目の表面がうまく保護されなくなります。
主な症状
- 目が乾く、しょぼしょぼする
- ゴロゴロする、異物感がある
- 目が疲れやすい
- 目やにが出る
- 視界がかすむ
- 視界がかすむ、にじむ、ダブる
- コンタクトレンズが合わない
これらの症状は軽度でも慢性的に続くことがあり、日常生活の質に影響することがあります。
原因・背景
マイボーム腺機能不全はさまざまな要因で起こります。
- 加齢による油分の分泌低下
- アイメイクやまぶたの汚れ
- アレルギーや炎症
また、まぶた自体を洗う習慣が少ないことも、詰まりの一因となることがあります。
治療について
ドライアイ・マイボーム腺機能不全の治療は、症状の程度や原因に応じて組み合わせて行います。
点眼治療
目の乾燥や炎症を抑えるための点眼を行います。
まぶたのケア(基本治療)
- 温罨法(まぶたを温める)
- まぶたのマッサージ
- まぶた専用の洗浄(アイシャンプー)
詰まった油を柔らかくし、分泌を促すことを目的とします。
マイボーム腺の処置
当院では専用の器具で詰まった油を押し出す処置を行うことがあります。
処置時に多少の痛みを伴う場合がありますが、症状の改善が期待できます。
IPL(光治療)について
IPLは、光の熱エネルギーによって固まった油をやわらかくし、分泌を促すことが期待される治療です。マイボーム腺に対してのIPL治療は自費診療となるためご希望の方は事前にお電話でご相談ください。
自費診療となるIPL(光治療)は、3〜4週間おきに5回程度(期間は約4〜5ヶ月間)の通院が推奨されており、費用は1回あたり15,000円〜30,000円(税込)となりますが、治療後には赤みや一時的な色素沈着、稀に火傷などのリスクを伴う場合があります。
気になる症状がある方へ
マイボーム腺機能不全は、一度改善しても再発しやすい疾患であるため、継続的なケアが大切になります。
- 目の乾きや違和感が続いている
- 目がゴロゴロする
- 目のキワがかゆい
- 疲れやすい
- コンタクトが合わなくなってきた
- 何度もものもらいを繰り返す
ドライアイやマイボーム腺機能不全は、単に点眼だけで改善するとは限らず、原因に応じた対応が重要です。当院では、目の状態だけでなく生活背景も踏まえながら、
- 点眼
- まぶたのケア
- 圧迫などの機器を用いた治療
などを組み合わせてご提案しています。
気になる症状がある場合は、お気軽にご相談ください。

