リジュセアミニについて

お子様の近視進行抑制に有効な点眼がついに発売
リジュセアミニ点眼液0.025%(低濃度アトロピン点眼液)が2025年4月21日から販売が始まりました。

屋外活動の減少やスマートフォンやタブレットなどのデジタル機器利用増加により、小児期から「近視」が進行しやすい環境がありふれています。近年、特にアジアの国々においては近視人口の増加が社会問題となっています。 そのような状況の中、ついに日本国内で厚生労働省から認可を得た近視進行抑制を目的とした点眼薬が発売となります。この薬剤は保険適応外のため自費診療となります。

〇 どうして近視の進行を抑える必要があるの?

近視がすすめば、コンタクトや眼鏡をすればよい、とお考えの方も多いと思います。しかし、強度近視になると、眼の奥行(=眼軸)が伸びてしまい、将来眼の病気になる可能性が高くなるといわれています。具体的には眼がよい方にくらべて強度近視の方は緑内障が14倍、網膜剥離が22倍なりやすくなるというデータがあります。

〇 大人になってから近視の進行を抑制することはできるの?

16歳から18歳頃まで眼軸が伸びて近視が進行しますがそれ以降は眼軸の伸展スピードはおちつき、近視の進行が緩やかになる、もしくは止まる方が多いとされています。現時点では一度伸びてしまった眼はもとに戻すことはできません。そのため、眼軸が伸びきる前の子供のうちに近視進行抑制の治療の介入をすることで将来強度近視への移行することを抑制し、先述のような眼疾患の発症予防へとつながります。

〇 安全な薬なの?

「リジュセアミニ点眼液0.025%」は、低濃度アトロピンを有効成分とする点眼薬です。1%アトロピン点眼は以前よりブドウ膜炎や弱視の治療において使用歴も長く、臨床経験上安全に使用できる薬剤と考えて良いと思います。また、近視の抑制効果があることは今までの研究で報告されてきました。しかし、濃度の高いアトロピン点眼を使用すると、まぶしさが強く出たり、頭痛や顔が紅くなったりするなどの副作用が出ることがありました。そこで近視の予防効果が期待でき、かつ副作用が妥協できる濃度を研究したところ0.025%という濃度が導き出されました。

〇 薬のデメリットは?

0.025%の濃度のアトロピン点眼でもまぶしさや近くがみにくい、頭痛などの症状がでてしまい、点眼をつづけることができないことがあります。ただ、これらの副作用をきたす方はまれですし、副作用が出た時点で点眼を終了すれば重篤な合併症が残ることはありません。 他には、100%近視の進行を抑制するものではないということです。成長に伴い生理的な眼軸の進展はおこります。また、低濃度アトロピン点眼をしても効果が十分に得られない方もいらっしゃいます。臨床研究上は30~60%の近視進行予防効果があるとされています。 それと一度点眼を開始した後は継続して治療を続ける必要がある点にも注意が必要です。現時点で明確な点眼終了年齢は規定されていません。しかし、眼軸が伸びている小児期にこの点眼治療を中断してしまうと、今まで抑制されていた眼軸進展がぐっとすすんでしまうリバウンドがおこるとされています。そのため当院では18歳頃までは治療の継続をおすすめしています。

〇 この薬に期待できること

従来から近視進行予防にはコンタクトレンズによる矯正、オルソケラトロジーレンズを用いた方法などが存在していましたが、あくまで近視の治療という建前であり、近視「進行抑制」という点で厚生労働省の認可がおりている治療はありませんでした。 今回、厚生労働省認可の近視「進行抑制」点眼薬という新たな選択肢が加わることで、近視の進行抑制治療を安心して受けていただける時代になりました。 方法も非常に簡便で、就寝前に1日1回の点眼するだけで、近視の進行を抑制する効果が期待できます。


当クリニックでは、丁寧なカウンセリングと検査を通じて、こうした最新の治療選択肢を含めてお子様に最適な対応をご提案いたします。子どもたちの視力を健やかに保ち、より明るい将来へとつなげるため、サポートさせていただきます。どうぞお気軽にご相談ください。

金額:30本1箱 4,380円(税込):1か月分

なお、別途診察の度に定期診察代(2000円:税込)が必要になります。